10。

『今日からオレは自由だーっ!!』



…ぐらいの気持ちだったと思う。


2010年9月1日
私、バンディの独立記念日のこと。





今までいろんな仕事に就いてきましたが、どの仕事も長続きしませんでした。


『また辞めるん?私、心配やわ。』


仕事を辞めると電話で告げるたびに、おふくろのこのセリフが胸に刺さりました。
申し訳ないという気持ちと、頑張ったけど仕方ないという気持ちが、自分の中で激しく戦うのです。




“雇われるのが向いていない”


早い段階で、自分はそういう人間だと気づいていました。
でも、雇われない生き方なんてどうしたら手に入るのか全くわからなかった自分は、雇われるということでしか仕事を得ることができなかったのです。



13年前

結果的に社員として働いていた最後の職場でボクは革、そしてバッグと出会いました。
その会社に入るまで革やバッグのことを全然知らなかった自分は、同僚からバカにされ、先輩から陰湿な嫌がらせを受け、さらには会社からも理不尽すぎるパワハラを受けました。

その頃のことを思い出すと、今なお寒気を覚えます。




『革のバッグを自分で作って売ることはできないだろうか?』


初めてその発想に至った時、自分の人生のずーっとずーっと先の方に、一瞬キラリと、光が見えた気がしたことを今でもハッキリ覚えています。

その光が見えた方へ進むべく、次の日からすぐ行動に移したことは言うまでもありません。


どこで作り方を教えてもらえるのか?

革はどこでどうやって買えるのか?

バッグを作っている人にどうやったら会えるのか?

自分のブランドなんてどうやったらできるのか?

作ったバッグをどうやって発信するのか?


今と違って、FacebookもInstagramもTwitterもまだまだ一般的ではなかった時代です。
本屋とまだまだ頼りないインターネットの情報が頼り。
でもこれからはインターネットが必須の時代が来ると、友達に手伝ってもらいながら訳もわからずアメブロをやり出したのがこの頃です。



その後

バッグ職人養成学校へ入学して作り方を学びました。

革も自分で買えるようになりました。

アメブロきっかけでで職人さんと出会うことができました。

Qrinaf(クリナフ)という自分のブランド名を作りました。

ひたすらバッグを作っては、アメブロに書いて宣伝し続けました。




とはいえ、それで食えるなんてまだまだ思ってもいないある日のこと。
まだそのバッグ会社で働いていた自分は、当時渋谷にある百貨店にいました。
その日は輪をかけて当時の店長の機嫌が悪く、あまりの理不尽な態度にボクと店長は怒鳴り合いになりました。


百貨店の売り場のど真ん中で(笑)


その時、自分の心の中で何かが弾けたような感覚になりました。



『独り立ち、してみよう。』




作ったものが売れているわけでもない、ましてやお客さんも卸先も売る当ても、まったくの“ゼロ”。
でも当時の自分には、あの時一瞬だけ見えた、キラリと光った何かを信じるしか、この心も体も疲弊するだけの環境から抜け出す術がなかったのだと思います。


今思い出しても、自分が独立に至った経緯は、美しい話でも、志高い人の話でもなんでもない。
溺れかけていた人間が、たまたま流れてきた小さな小さな流木に必死でしがみついたようなお話です。



なんとかこの仕事で食べれるようになると、これからそうなりたいと思ってる人から

『どんなコンセプトで始めたんですか?』とか

『どんな人に売るかターゲットは決めてたんですか?』とか

聞かれることもあるんですが…


悪いけどそんなもん無ぇ!!(笑)







なのに、先に書いたように飽きっぽい自分がどうしてここまで続けてこれたのか?
それは多分…


“自分が向いてるって思う働き方をするために、腹をくくって突っ走った”


から?と思います。

自分が向いてないって思う仕事はやらなかった。
その代わり当たり前だけどお金はないから、何日も食パンで食いつないで、浮いたお金で型紙のためのチケン紙を買ってました。
だから今でも自分が使うチケン紙は、もう使えないっていうぐらい小さくなるまで捨てません。


ボクが東京のオヤジと慕うレザーメイト さとうのさとうさんも

『何にもできないうちから仕事を選り好みしてたら続かないだろうな』

って当時は思ってたと知ったのは、ついこないだ!


でも、当時のボクに“言わなかった”ってところにさとうさんの愛を感じますが(笑)





そんなかんなで紆余曲折ありながらも、なんとか独立10周年を迎えることができました。
ボクの人生で10年続いたことはこれが初めて。
きっかけをくれたあの暗黒のバッグ会社はもうないけど、今となっちゃ〜…感謝してます。

支えてくださる革業界の仲間たち、ボクが作ったものを喜んでくれるお客さん、ボクのもとに集まってくれる生徒さん、そして家族。

いつもいつも本当にありがとうございます。

これからも革業界の発展のため、そしてレザークラフトの普及のために、微力ながら頑張らせていただきますので、今後ともQrinaf / BANDY’S Leather craft schoolをどうぞよろしくお願いします!






【今週の看板娘】

なぜかハスキーからモテモテなジーナです♪



【今週の教室風景】

最近教室ではオリジナルのレザータグを付けるのが、ちょっとしたブームになってます。
一気に愛着が増しますね!





—–Twitter始めました—–
レザークラフト に関係ないこともいっぱいつぶやいてます。
よかったらフォローしてください!

⇩⇩⇩
Qrinaf / Bandy’sレザークラフト教室
———————————–

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ミシン仕立て専門
☆Bandy’sレザークラフト教室☆
☆生徒募集中!☆

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『ぜんぜんミシン初心者なんですけど大丈夫なんですか?』
とおっしゃられる方が多いですが、ほとんどが初心者の方です。
ぜひ一度体験教室にいらしてください!

体験教室では実際に工業用ミシンを使って、レザーキンチャクを作っていただけます。
小さなキンチャクですが革を縫う・漉く・ヘリ返す・タグを作るなど、ミシン仕立てならではの技術を一通り体験してもらえます。
詳細・お申し込みは下記のリンクからどうぞ。

工業用ミシンを使って本格的な本革バッグを作るレザークラフトを始めてみませんか?
お申し込み・お問い合わせ、パンフレットのご希望は当店へメール(qrinaf@gmail.com)またはお電話(03-6319-0146)にて。
またホームページにも“school”というバナーで詳細をアップしましたのでご覧下さい。

リンクはこちら⇨school

下記材料屋さんにもパンフレットを置いていただいておりますので、ぜひお手に取ってご覧下さい。

レザーメイト さとう さん
三洋商会 さん
角田商店 さん
Kファスナー さん

ご検討のほどよろしくお願いいたします。

LINEで送る
Pocket
[`evernote` not found]