昭和の遊び、令和の遊び。

『これからレザークラフト始めたいんですけど、何から揃えたらいいですか?』



そう言われて来店する方を、日々お相手させてもらっていたアルバイト時代。
何を作りたいか?予算はいくらか?などを聞いてご案内しておりました。

正確な数字ではなく、あくまでも自分の感覚ですが、そうやってレザークラフトを始められて、『今度はこんなものを作りたい』とお店に2度目の来店をしてくれる確率…10%にも満たない気がします。
続けられないにはいろいろと理由があると思う。


“思ってたより(想像してたより)〇〇だった”


なんて、なんにでもあることだけど、ことレザークラフトに関すれば
・思ってたより音が出る(主に手縫い)
・思ってたより専用道具がいる
・思ってたより革の種類が多くて何を選べばいいかわからない
・思ってたより消耗品が多くてお金がかかる
こんな感じで辞めてしまう理由はなんぼでもある気がする。


そんな中、十年ほど前。当時自分が接客させてもらって、レザークラフトをスタートさせたお客さんで、忘れられない方がいます。
このときすでに定年を超えてらっしゃっていたか、まだだったかは忘れてしまったけど、作ったものをお店に持ってきてくれては


『ダメ出ししてください』


と毎回言われ、その度に返答に困りながらも自分なりにアドバイスさせてもらってました。
やがて手縫いからミシンにシフトし、見事革作家の道へ。
積極的にイベントに出店され、作ったものが売れる喜びを伝えるSNSを拝見しては、とても嬉しく思っていました。

そして今年のGW。



笠間のイベントに出店されているところに、会いに行かせてもらいました!

『もうあと何年できるかわかんないよ〜』

なんて言われてたけど、なんのなんの。
キレイに並べられたバッグたちは十分売り物としてのレベルに達しているし、ここまでできるようになったのにやめてどうすんのよ!な〜んてエラそうに言ってみたり(笑)


作って、人と交流して、報酬を得る。


誰もがやりたくてもできないサイクルを、自らの情熱と行動力で生み出したことは本当に素晴らしいことだと思うし、人生の先輩として尊敬します。
細く長く、ご自分のペースでモノづくりライフ楽しんでいってください!

おじゃましました。







さて






とってもいい季節です。
そうとなればやることは一つ。



ハイ、キャンプ〜

いい時期は思ってるより短いですからね!
行ける時にバンバン行っておかないと。
今回のキャンプ地は千葉の山奥。
都内から1時間ちょいも走ればこんなステキなキャンプ場がありました。




今回のパートナーもSさん。
もうね、彼と行くとホンマに楽チン。



黙っていても…



次から次へと美味しい料理を作ってくれます。




サイトのすぐ裏に気持ちい〜い滝と川があったので




久しぶりに水切りにチャレンジ!
こんなの昭和時代以来かも(笑)
結果は….




ドボーン!

何度やってもダメでした(笑)




気を取り直して、またまた美味しいご飯を堪能していると

『バンディさん、いま流行りのやつやってあげましょうか?』

と言いつつ、スマホをいじる彼。



ハイ、バンディジブリ風〜

こ、これがウワサの!!
正直似てるかって言われたら似てないけど(笑)、なんかめっちゃ嬉しい!!

『あ、こっちの方が似てるかも…』

と差し出されたスマホを見てみると



北斗の拳風!!

もう後ろにひっくり返りそうなほど笑いました(笑)
確かにこっちの方が…でも『ガシャア』って効果音なによ!?(笑)

いやー楽しかった。




昭和の遊びに令和の遊び。
懐かしさと最新を両方楽しめる自分たち世代はとってもラッキーかもしれない。
でもこの“楽しむ”という精神を、これからもずっと持ち続けたいと思う。






【今週の看板娘】

彼女も“ボールは楽しい!”って精神を、ずっと持ち続けていますなっ。



【今週の教室風景】

生徒さんからの差し入れ。
せんべいでこんなカタチ作っちゃうなんて….なんか粋だねぇ〜なんて感心しながらみんなでいただきました。
ごちそうさまです!





DIYの余地。

今週、自分が一番愛する映画“紅の豚”がテレビでやってました。
もう軽く100回以上は観てると思うけど、それでも観ない理由はありません。



まだこの映画の本質を何もわからずに観ていた若いころは、ジーナやポルコのような深く、渋みのある大人に自分もいつかなりたいと憧れたものです。

でも今は見方がまったく違います。

時代に翻弄され、愛する人を失い、人生をめちゃくちゃにされながらも、人とのつながりを大切にし、与えられた環境の中で自分らしく生きるキャラクターたち。

ジーナの設定年齢は38歳。
自分はその年齢の遥か上になったのに、彼らのような人間の深みは作られていない。
でも背負っている悲しみの量が圧倒的に違うことを考えれば、それはもしかしたら幸せなことなのかもしれない…


何度観てもいろんな気づきを与えてくれる映画に出会えたことは、かけがえのない人生の宝物。
みなさんはどんな宝物をお持ちですか?








さて







毎年GWになると、不思議と“DIY”がしたくなります。
しかし、我がアトリエもDIYにDIYが重ねられて、もうこれ以上やることがあるのか!といった具合。

ところが先日、ど〜しても教室に欲しい機材があって、それを勢いで購入することに。
その機材をどこに設置するのか?
考えて考えて….なんとかなるかも!とひらめいた瞬間、パチーンっとDIYスイッチがオン!
いざ今年のGWDIYのネタとなりました。



漉き機と棚の間に、もう一つ作業台を入れたい。そのために。



土間の部分を玄関の扉ギリギリまで減らして、床を増設することに。



ストックしてある床に使っているのと同じ足場板をカットして塗装します。



言われなきゃ気づかないぐらいになかなかうまくできました!



続いてスキマに入れる作業台も、ミリ単位でギリギリまでカットします。



そしていよいよコイツをセットするときが来ました….



ドーン!

オーストラリア製のハンドクリッカー、一番デカいやつです!
これで大きな抜き型もサクッといけます。



クリッカーの上にスペースができたので、追加で棚も作りました!
このアトリエはもうこれ以上いじれる余地はないと思っていたけど、アイデア出せばまだまだいけました♪

いやー久しぶりのDIY、めっちゃ楽しかったなぁ〜!





【今週の看板娘】

まだまだ元気にボール追っかけます!
風に吹かれて貫禄あります!


【今週の教室風景】

新しく入っていただいた生徒さん。
型紙の基礎は大変ですが、じっくり向き合ってくれてます。
早く作りたいと思いますが、この基礎が支えてくれますので頑張ってくださいね。





ご縁に呼ばれて千葉県へ。

不意に懐かしい人と再会する機会があると、嬉しいという感情と共に、この方とはご縁があったんだな〜と感じます。

今週はそんな機会がありました。
しかもお二人。



まず尋ねたのは




岡製作所さん

看板を見て、ピンときたアナタはレザークラフター(笑)
可愛らしいひし目打ちの看板が目印。

岡製作所さんはレザークラフト、中でも“手縫い”に特化した道具を専門に製作している会社です。



そして自分がいつも大変お世話になっているレザーメイトさとうさんと社長の岡さんは、実は元同僚。
さらに岡さんの息子さんがウチの教室に通ってくれている生徒さん。
そんなご縁プラス、岡さんが工場とショールームを新設したとのことで、さとうさんと一緒にお邪魔してきました。


一本一本手作りされる美しい道具たち。
こういう道具を作る職人さんもどんどんいなくなってしまっていますが、その最後の砦を守る…だけでなく、常に良いものを作ろうとする岡さんの絶え間ない努力、さらには社長として会社の運営をしながら、高齢の職人さんたちを支える配慮まで。
ご自分も職人でありながら、いろんなことに気を配られている姿に頭が下がる思いです。



一流の職人さんである社長、そしてその背中を追いかける息子さん、裏でしっかり会社を支える奥様。
真新しい工場で働くみなさんは、理想的な昔ながらの家族経営。
これからもその技術で革業界をしっかりと支えていってもらえたら嬉しいです。
おじゃましました!




そして次の嬉しい再会は…




日本人らしからぬ立派なドレッドヘアーがトレードマークのTakumiさん。
彼との出会いは3年前。
ウチの教室の体験教室に参加していただいたのがきっかけでした。
その出立ちと優しいお人柄にメチャクチャ興味を抱きましたが、お会いしたのはその一度だけ。

ところがつい先日、インスタグラムでたまたま彼を見つけ、何を作っているのかとのぞきに行くと…



めちゃくちゃカッコいいブレーディング(編み込み)とアンティークビーズのアクセサリー職人さんだったのです!
自分も一応革職人ですが、好きなのにできないのがこのブレーディング。
本を見ながら何度も挑戦しましたが、まともに完成した試しがありません。
それでも欲しくて、ちまたに売られているブレーディングのブレスレットを何度も買おうとはしました。
でもどれも作りがイマイチ。


“いつか職人が魂込めて編み込んだブレスレットが欲しい”


その一本に出会うまで買うまいと決めた日から10年以上の時がたち、彼のインスタグラムを見ていよいよその時が来たと確信したのです。

すぐにDMでお会いしたいと伝えたところ、会って直接商品を見せてもらえることになりました。




お忙しい中あまりお時間を取らせては申し訳ないと、オーダーしたらすぐに帰るはずでした。
ところが不思議なことにお互いの過去や境遇、人生に対する考え方までもが話せば話すほど似ていて、お互いの話に興味が尽きず気づけばあっという間に3時間!

中でもお互い築地市場で働いてたことがわかった時は、コーヒー吹き出すかと思いました(笑)


プリン付きのかわい〜いパンケーキを注文するドレッドヘアと金髪のイカつい男二人組。
『好きなんだからいいでしょ』と言わんばかりに堂々と注文したつもりが、運んできてくれた若い女性の店員さんに『甘い物お好きなんですね!』と不意に言われ、二人して『そうなんっすよ〜エヘヘへ….』と情けない照れ笑いしか返せなかったところまで一緒でした(笑)



出来上がりまで2ヶ月。
夏の楽しみがまたひとつ増えました♪




作るものは違えど、革業界というくくりで言えば同じ土俵に立つお二人。
たくさんお話を聞かせてもらった中で、お二人に共通したのが


“下手に手を広げず、自分の得意分野で狭く、深く勝負する”


ということ。
この考え方には自分も共感しかありません。
“自分の強みは何か?”それを掘り下げた先に、自分らしく生きるという自由が待っている。
今回いただいたご縁は、自営業としての道標を再確認させてもらった出会いでした。


岡さん、Takumiさんありがとうございました!






【今週の看板娘】

実はちょっと前から元気がなかったジーナ。
病院に行ったら病名がつきました。
今すぐどうのってことはないと思うけど、ジーナももうすぐ9歳。
現実とちゃんと向き合いながら、これからも楽しい時間を一緒に過ごしていこうと思います!



【今週の教室風景】

ちょっと機会があって、久しぶりに教室の入り口をパチリ。
これが誰かのお店だったらメチャクチャ嫉妬するって思えるほど、自分にとって大好きな空間で生きていけることを心から嬉しいと感じました。(手前味噌山盛り感がスゴい(笑))