崖から月光、ギリセーフ。

やっと、やーーーっと、『あ〜、風が秋に変わったな〜』って実感できる日が増えてきました。


まだ秋の味覚“かおり”を引きずる日々です(笑)


暑さもおさまってきたし、そろそろこの子たちも落ち着いてほしい。



アトリエの前をおおい茂るオカメヅタと野葡萄。
うちに来たときは両方とも20cmぐらいだったのに、伸びに伸びること8年。今やアトリエのアイコンになるほど成長しました。

が、放っておけば当然伸び放題。
自宅の壁や電線はもちろん、お隣にまで忍び寄るこのツタを定期的に刈らなくてはいけません。
しかし朝でも連日の暑さでやる気が起きなかったんですが、ちょっと涼しくなったのをチャンスとばかりにゴッソリ切ってやりました。

グリーンはアトリエの一部。
やっとここまで育て上げた子たちも、ある程度になったら剪定が必要です。
汗だくになりながらも、自分の理想のカタチになったアトリエを見ながらニヤニヤしております。

そうしているうちにまもなく、というか、あっという間にグリーンたちには今度は逆の意味で厳しい季節がやってきそうです。





さて





先週の話ですが、ちょうど自分がお休みの火曜日が“中秋の名月”でした。
自分はアウトドア好きなので日光浴は好きですが、それと同じぐらい月光浴も好き。
この日は天気も良いとのことで、都内から一番近いお月見スポットへ向かいました。



アクアライン、海ほたるPA。
月の向きがちょうど千葉側だったので、キレイに見ることができました。




中秋の名月になると、自分が九死に一生を得た時のことを思い出します。


今から20数年前。
その日も天気の良い中秋の名月で、そのべっぴんな姿をゆっくり見ようかと、一人クルマを走らせていました。
小高い山の頂上にある、地元でもあまり知られていない自分だけのお月見スポットに到着すると、クルマのシートを倒してその美しい姿をボーッと眺めていました。

しばらくすると、ガタンっとクルマが揺れたのです。

ビックリした自分は『誰かイタズラで揺らした!?』と思い、体を起こして周りを見ても…誰もいません。真っ暗の中、停まってるクルマは自分のクルマだけ。
気のせいか…そう思って再びカラダを倒しました。

するとまたガタンガタン!と揺れが。

これは絶対イタズラや!と思い、犯人を確認しようと起き上がりますが、やはり誰もいません。おかしい…あ、もしかして地震??
そう思ったのも束の間、ガタ…ガタガタ…ガタガタガタ!と激しい揺れが!!
その瞬間、何が起こっているか気付きました。


クルマが勝手に前に進んでる!!


慌ててブレーキを踏むと、クルマの揺れはピタッと収まりました。
『あ〜ビックリしたぁ』と外に出てみると、一気に血の気が引きました。


クルマが停まった位置が、なんと崖までわずか10cmだったのです。。。


この崖がなかなかの断崖絶壁。ただでさえ人通りが全くないところなのに、このまま落ちれば見つかった頃には100%ドクロベエさまになってたことでしょう。
この時乗っていたクルマは古いローバーミニ。
後日車屋さんでこの話をすると


『あ〜、ミニのサイドブレーキってぜんぜん効かないからねぇ〜』


と店長さん。
早よ言ってや(笑)死ぬとこやったやん。


って思い出が。

でも実はさらに続きがあって、去年それこそ20年ぶりにその場所へ行ってみたんです。
そしたらその崖には頑丈な柵ができてて…


誰か落ちた?


何も言わずにスゥ〜っと帰ってきました(笑)






【今週の看板娘】

散歩中、ちょっと足を伸ばして最近お気に入りのジェラート屋さんへ。
ジーナはお芋屋さんの方がいいね。


【今週の教室風景】

レザークラフトではなかなか難しい技術“菊寄せ”。
一生懸命チャレンジ中です!

声のたどり着いた先。

その電話がかかってきたのは、桜の便りが届き始めた3月のことでした。


『そちらの教室で、レザークラフトをやっているところを撮影させていただけませんか?』


テレビのロケなどの問い合わせは、これだけネットが発達した今でも意外と電話でかかってくることが多い、ということを職人仲間から聞いたりしていたので、特に驚きはしませんでした。
説明を聞くと、企画自体は面白そう。冷静にやり取りしながらも『いよいよウチもテレビデビューかぁ〜クゥゥゥ!』なんて、実は心の中ではテンション爆上がりしてたけど、正直どこの誰だかわからないようなタレントさんが来たらちょっとビミョーかなぁ…なんて思ってしまいました。
その後もどういう内容かの説明を続けるけど、肝心の“誰が来るのか?”を全然言おうとしない。
シビレを切らした自分は思い切って聞いてみることに。


『ところで、どなたがいらっしゃるんですか?』


多少有名なぐらいの名前じゃ、コッチは驚かへんでぇ!ぐらいの気持ちで聞くと


『三代目J SOUL BROTHERSの山下健二郎さんなのですが…』


知ってる。めっちゃ知ってる(笑)
なんなら彼が出てる朝の情報番組観てるし。
マジかー。

その瞬間から彼に何をチャレンジしてもらうかグルグル考えながら、二つ返事で引き受けました。

しかしその後。


テレビ側『この日はどうでしょう?』

バンディ『その日は無理ですね〜』


のやり取りが続くこと3回。
ここまで断ったらさすがにこの企画は無くなるやろなぁと残念に思っていました。
ところが、4回目のやり取りでやっとスケジュールが合ったのは、連日の猛暑が始まりかけた7月も半ばに突入した頃。

番組側と事前打ち合わせの際、ディレクターさんに『(何度も断ったから)正直なくなったと思ってました。』と伝えると、


『実は我々もバンディさんの教室は諦めて、他の教室を健二郎さんに提案したんです。でも彼がどうしても“バンディさんの教室でやりたい。他の教室だったらレザークラフトじゃなくていい。”って言われちゃって…』


嬉しい。嬉しいけど、一体ウチの何が彼に刺さったのか?謎は深まったまま、撮影日当日を迎えました。




テレビだろうと自分はあまり緊張する方ではありません。前日もしっかり寝ました(笑)
それよりも今をときめく(古っ笑)超有名な芸能人さんです。
どんな人かな〜。。。ヤ〜なヤツだったらとっとと終わらせたいな〜。。。みたいなことは、ちょっとだけ心配してました。
ところが、颯爽とアトリエに入ってきた彼はすかさず


『山下健二郎です!今日はどうぞよろしくお願いします!』


と頭を下げながら挨拶してくれ、自分の器のちっちゃ〜い心配ごとは『エエ人やーん』で一瞬で塗り替えられることに(笑)
そこで早速、深まったナゾを聞いてみました。なぜウチなのか?
すると彼の口から思いもよらぬ答えが返ってきました。


『バンディさんのYouTubeを観まくってました!もし教えてもらえる機会があるなら、絶対にバンディさんにって決めてたんです。だからオススメされていたJUKIのミシンも買ったんですよ!まだ使い方全然わからないんですが…(笑)』


その瞬間ふと、今年の1月1日に読んだ、バンディが唯一信じてる星座占いの2024年天秤座の運勢の一文が思い出されました。


【アナタの発信していることが、遠い遠いところまで届くことでしょう】


腕にブツブツ〜っと出た鳥肌を必死に隠しつつ(笑)番組の撮影が始まりました。




始まってすぐ、アトリエの機械や道具に興味津々な彼。
レザークラフトに関することも、それこそ山のように質問してくれました。
ご自身が興味を持ったことに“もっと知りたい!”というピュアな気持ちが合わさり、レザークラフトにこんなにも興味を持ってもらえたことが、何よりも嬉しかったことを思い出します。



『実はミシンを踏むのがほぼほぼ初めてなんです…』

そう言って、最初は恐る恐るミシンを踏まれていました。
でもそこは職業用ミシン最上位機種のSL-700EX。パワーにまったく不足はないし、針が刺さらない、目が飛んでステッチがキレイに入らない、なんて心配は一切無用。
その性能のおかげでなんの不安もなく練習を続ける健二郎さん。


『こんなに分厚い革がこんなに簡単に縫えてしまうんですね!』


簡単に縫えてしまうことが徐々に楽しくなったようで、終始笑みを浮かべながらミシンを踏まれていたのが印象的でした。




DIYが大好きなことで有名な彼。
こちらが指導することをどんどん吸収して、あっという間にボディバッグを完成させました!


『ミシン仕立てのレザークラフト、メチャクチャ楽しくてハマっちゃいそうです!早速家のミシンでもチャレンジしてみますね。』


そう言ってくれた彼の目はキラキラしてて、本当にモノづくりが大好きなんだということが伝わってきました。
ここに一人、またミシン男子が生まれてくれたことをとっても嬉しく思います。
こんなステキな機会をいただけたことに本当に感謝です。ありがとうございました。



なおこの番組はLDH様の有料チャンネル『CL』の中の“三代目J SOUL BROTHERSの休日”という企画内で観ることができます。
機会がありましたらぜひご覧ください!



それにしても…

YouTubeを始めた時は、まさかまさかこんなご縁がいただけるなんて夢にも思っていませんでした。
その発信力の強さが嬉しいやら恐ろしいやら(笑)
実は現在映像編集をしてくれている方が産休に入ってしまい、YouTubeの方は一旦更新がストップしています。
でもまた産休から戻られたら再開したいと思っています。
それまでネタを貯めて、これからミシン仕立てのレザークラフトを始めたい!という方のきっかけや後押しができたらいいなと思っています。
やめちゃったと思わずに(笑)どうかしばらくお待ちいただけたら幸いです。





【今週の看板娘】

アタマが作業台にめり込んでるやーん



【今週の教室風景】

密か〜に販売してる教室のグッズを愛用してくれてました!
めっちゃ嬉しいし、これ自分でも買おーっと(笑)







小話を2つ3つ。

今週あった出来事を2つ、お知らせを1つほど。



“鼻ですいません”

ジーナをトリミングに出して、迎えに行くまでの3時間をどう過ごすかが毎回の悩み。
この日は兼ねてからチェックしてあった、庭がステキなカフェに行くことにしました。
お店の横にある、ちょっと狭めな駐車場にクルマをバックで一発で決め、『いい雰囲気のお店だね〜』なんて言いながらフフ〜ンと歩き出すと、慌ててお店から出てくる店員さん。
何事かと思ったら…


『お客さま!!ゾウの鼻が刺さっております!!大丈夫でしょうか!?』


まぁ言われたその瞬間は『コイツなに言うてんねん』と思ったのが本音(笑)
しかし店員さんが指差す方向を見てみると



キレイに象のフォルムに刈り込まれたトピアリーの鼻の部分が、確かに車の後部に突き刺さってました(笑)

向こうはクルマに傷つけたことをすいません、自分は象の鼻をブチ曲げたことにすいませんと、お互い『すいません』を連呼するという状況に、横で『あたしゃカンケーねー』とばかりにヨメさんがフフフと笑っておりましたとさ。




“後悔してもしきれない

クルマで出かけた時にちょっとした楽しみがあります。
それは、自分たちが知らないその地域のスーパーマーケットに行くこと。

その日も用事が済んだ後、どこかおもしろそうなスーパーがないかネットで検索。
ほどなくして見つけた、見たことも聞いたこともないスーパーに行ってみることにしました。

『うわ!これ知ってる?』

『おー!これは安い!』

『これはどうやって食べるの!?』

日頃から何気なく利用しているスーパーも、ところ変わればなんともまぁ刺激的。
あれよあれよという間に買い物カゴの中身が埋まっていきます。


すると、聞いたこともない名前がついた梨を果物売り場で見つけました。
その名も“かおり”。

何を隠そうワタクシは無類の梨好き。毎シーズン数えきれないほどの梨を食べまくります。
特に好きなのは硬くて甘いヤツ。
でも梨って意外と品種が多くて、好みのヤツが見つかっても次のシーズンにはその名前をすっかり忘れてしまってます。

目の前に突如現れた新種…。
買うべきか…買わざるべきか…。

でもちょっとタイミングが悪くて、この日は晩ごはんを食べたあと。
あんまりお腹も空いてなかったので、この日は新種の梨を買わずにお店をあとにしました。


数日後。


たまたまネットに流れてきた1枚の画像を見て愕然としました。


それは梨の品種の分布図。
表の右上をご覧ください。

甘くて硬いポジションに“かおり”の文字が!!
まさに自分のタイプドンピシャやないかーい!!

なぜあの時に300円を払えなかったのか、そしてスーパーは検索してるくせになぜその場で“かおり”を検索しなかったのか…。

この夏、1番後悔したとさ。


だって9月なのに35℃とか夏終わってないやーん!
いろいろチキショーッ!





“年末に向けて

まだ35℃とか言うとりますが、実際のところは2024年もあと三分の一。
年末までのイベントやワークショップの予定なんぞ考えてみました。
その中で決めたことは…

・今後、SL-700EXを使ったワークショップは三連休の日月に開催。
・11月末にミシン体験会。
・12月中に革合宿。

ということで、早速10月のワークショップのお知らせです!



ワタクシが以前一目惚れして仕入れたボタニカル柄がプリントされた、超〜キュートな帆布。
もう何年も寝かしていてももったいないだけ!と、意を決してワークショップに使います!

日時 10月13日(日)10:00〜17:00
場所 BANDY’S レザークラフト教室(台東区浅草6-26-8)
参加費 ¥25,000-(税・材料費込み 事前振り込み)
定員 4名
申し込み方法 メール(qrinaf@gmail.com)にて。お名前と携帯番号を記入してください。
申し込み期限 9月20日まで。 ※お申し込み多数の場合は抽選になります。
参加条件 普段からミシンを使われている方。ミシンが久しぶりの方や、ほとんど使ったことがない方のお申し込みはご遠慮ください。

詳しい内容はインスタグラムの方に記載していますので、そちらをご覧ください!




【今週の看板娘】

夜の散歩を断固拒否しております。
なんで犬コロが散歩キライやねん!



【今週の教室風景】

生徒さんが手作りのプリンを差し入れてくれました!
美味しいのはもちろんだけど、『教室に持って行こう!』って思ってくれたその気持ちが何よりも嬉しいです♪
ごちそうさまでした。




北の国から 2nd。

ちょっと前、東北一周旅行をしていた時。
心が洗われるような奥入瀬の景色を見ていて、ふと自分の心に湧き上がった気持ちがありました。


『この景色、おふくろにも見せてあげたいなぁ〜』


思い立ったが吉日。その場ですぐ弟に連絡しました。


バ 『おふくろ連れてみんなで旅行に行かへん?』

弟 『ええけどそっちで説得してな』


そう、おふくろは今までの人生で一度も飛行機に乗ったことがなく、さらには先のコロナ騒動もあり、すっかり出不精になっていました。
でもなんだか知らないけど、自分には説得できる自信があったのです。


バ 『カクカクシカジカ…というわけで旅行行こ!』

母 『そんなのこの歳になって無理やわ〜』


そんな受け答えは想定済み。
ここでキラーワードをビシッと伝える。


バ 『おふくろが元気なうちに親孝行させてくれよ!』

母 『….じゃあ北海道の旭山動物園行ってみたい』


やっぱり行ってみたいんやーん(笑)
と、いうことで、弟と分担していろいろと予定したり予約したり。
この日のために自分も夏の仕事をいっぱい頑張りました!
そして出発の日の前日、教室をやっていたら弟からLINEが。


おふくろ、コロナ陽性


目の前が真っ暗になるとはまさにこの瞬間でした。
とはいえ、一番ショックなのはおふくろ。
病院に行く途中も


『大丈夫やから行く!』


と言っていたそうですが、みるみるうちに熱が上がり…無念のリタイア。
最初は自分たちも含めて全キャンセルしようと思いましたが、弟に『行っておふくろにたくさんお土産送ったって!』と後押しされ、図らずしもヨメさんと二人、2回目の北海道旅行となりました。

もぅこうなったら自分たちが行きたいところに全変更!
バンディ旅行ではおなじみの“グルメと温泉”に全振りして行ってまいりましたー。




ずーっと行ってみたかった旭川の大黒屋。



今までのどこで食べたジンギスカンよりダントツ1位のおいしさでした!



青い池を見つつ



一路積丹半島に向かい、一度は食べたかった旬のウニ丼!
それはそれはぶったまげ〜な美味しさでした。



前を歩くヨメさんを見て分かる通り、暴風の中カムイ岬の先端まで歩き



日本で最も標高の高い場所にある露天風呂へ。



小樽では名物の鳥の半身揚げがうますぎてあっという間にペロリ。



そして最後の夜は子供の頃から憧れだった温泉旅館へ。
なんで知っていたかというと、子供の頃テレビで観た番組…世界はショウバイショウバイだったか、なるほどザワールドだったか忘れたけど、その番組の中で日本各地の温泉のもとをプレゼントしてたのです。
その数種類あった“もと”の中の一つがここの温泉だったのです。

子供心ながらに『変わった名前の温泉があるんやなぁ〜』と思ってましたが、40年の時を経てやっとたどり着くことができたのです。
でも実はここの温泉に行く!って決めたついこないだまで、“カルロス温泉”というブラジルかよ!って名前で覚えてたのはここだけの話です(笑)



夜は毛ガニをいただきました♪



突然のハプニングでバッタバタ旅行となりましたが、腹パンパンで帰ってまいりました!
おふくろにもいーっぱいお土産送ったけど、次回は絶対一緒に連れて行きたいと思います。
リベンジするぜー!





【今週の看板娘】

ジーナもお留守番頑張ったねー



【今週の教室風景】

若きミシン男子!
2000年生まれの彼に自分がモノを教える立場になるなんて、24年前の自分は微塵も想像してませんでした(笑)