今シーズン初めて灯油ファンヒーターをつけたアトリエ。
本格的な冬の訪れを肌身に感じられるようになったことを、『やっとか〜』って思いましたか?それとも『とうとう来たな〜』って思いましたか?
自分は前者…かな。
美しく色づいた隅田公園の銀杏たちは…『冷えんの遅いやんけーっ!』でしょうか?
なんで関西弁なのかわかりません(笑)
しかし、こんな12月も半ばに差しかかろうとするタイミングで黄金の銀杏を見ることになろうとは…。
きっとあっという間に散ってしまいそうなので、ちょっとだけの間、その神々しい黄金色を楽しみに、冬の上着をはおって散歩に出かけようと思います。
さて
『これはね、パーツのすべてがオールMade in JAPANの最後の名機なんですよ。』
そう教えてくれたのは、いつもいつもお世話になっているミシン屋さんの社長でした。
そんなこととはつゆ知らず、『ちょっと古いのがシブくてカッコいい!』ぐらいに思いながら使っていた自分が、少し恥ずかしくなったことを思い出します。
『お祝いにあげるから持ってきなよ!』
これは自分がこのアトリエを構えたとき、そう言って職人仲間がプレゼントしてくれたミシンです。
仲間の元では長らく放置されていたこのミシン。
ウチに来た当初はまともに縫えなくて、しばらく物置場と化してたこともありました。
しかし教室をやることになり、いよいよこのミシンをちゃんと使えるようにしないとな〜と思い、今のミシン屋さんに相談した時に言われたのが最初の一言でした。
『もうパーツの生産も終わってるけど、ウチは一通り持ってるからビシッと使えるようにオーバーホールしますよ!』
そんな嬉しい言葉と共に引き取られていったMITSUBISHIくん。
中も外もビッカビカになって帰ってきたのち、数々の生徒さんたちのバッグにそのステッチを刻んでくれました。
『このミシン、やっぱり素敵ですね。』
久しぶりに教室へ来てくれた元生徒さんが、このMITSUBISHIを見ながらボソッと呟いたその瞬間、自分の口からこんな言葉が出ました。
『次、受け継いでくれたりする?』
今年が年男の自分は、簡単に振り返ってみてもなんだかんだでいろいろあった一年だったと思う。
そしてこの一年を機に、来年は何かをちょっと変えたい…。
そんな小さな感情があることに薄々感じてはいたけれど、“これは(ミシンを変えること)アリかも!?”と直感して、脳で考えるより先に口走っていたことにちょっと驚きました。
『ぜひ受け継がせてください!』
そんなありがたい返事をもらった自分はすぐミシン屋さんに相談すると、『ガッテン承知!』とばかりに飛んで来てくれました。
朝取りにきてくれて….
なんと昼過ぎには新しくなってすぐ使える状態に!
晴れて新品のJUKIの工業用ミシンがウチにやってきました。
このミシン、プレートこそ“JUKI”となっていますが、実は最後のMITSUBISHI製!
(現在MITSUBISHIの工業用ミシン部門はJUKIに吸収合併されているため)
今までのMITSUBISHIスピリットは継承されつつ、自分が大好きなJUKIの息がかかってるという夢のようなミシンが教室にやってきたのです。
『DY-350は次の方が使えるようになるまで、ウチで預かりますよ!』
気風のいい社長さんの気持ちに甘えさせてもらい、早速今週から生徒さんに使ってもらいました。
『とってもスムーズ!』『縫いやすい!』
そんな嬉しい感想を次々言ってくれる生徒さんたち。
直感のままに行動してヨカッタヨカッタ♪
そしてたくさん活躍してくれたMITSUBISHIくん。約11年間ありがとう。
次のオーナーさんにも大切にしてもらえますように。
【今週の看板娘】
ジーナは寒いぐらいの方が元気!
【今週の教室風景】
生徒さんが好きな言葉を入れて作るレザータグ。
“I ♡ ◯◯”がちょっとしたブームです。