この匂いをかぐと、ふと思い出すことがある。
そんな香りを誰しもが持っているのではないかと思います。
先日の朝の散歩中。いつもの道、いつもの風景。
公園の自転車も入ってこれないような小道をスッと入った瞬間、フワッと鼻から身体に入ってきた甘い香り。
その正体はボクも大好きな“クチナシ”。
その香りは唯一無二。
だけどその香りを楽しめるのは、一年でたったの数日だけ。
あっという間に花が終わってしまいます。
ボクの中ではこの花が咲くと『そろそろ梅雨入りやな〜』って思います。
こんなこと地元にいた時は考えたこともなかったけど、意外と緑が多い東京で知ることができたんなて不思議な感じです。
梅雨入りが遅れているようだけど、この花の香りと同時に、自分の気管支もなんだかムズムズ。
この時期に発症しやすい喘息の薬を早めにもらっておかなくちゃ…と思う今日この頃です。
さて
つい先日、革問屋に勤める後輩から『コレ、知ってますか?』と一枚のパンフレットを渡された瞬間、『キターッ!!』と思わず声が出てしまいました。
それは
と、JISが定めたというパンフレットでした。
革やレザークラフトに関心がない人にはなんのこっちゃ?な内容かもしれません。
しかし自分にとっては『やっとか!』という思いで、手に取った瞬間はかなり興奮しました。
“エコレザー”という言葉を聞いたことがある人もいるんじゃないでしょうか?
エコなレザー、なんとも耳障りのいい響きですが、ボクら革を扱っている人間にとっては、なんともムズムズした思いを抱くものでした。
“エコ”や“SDGs”など世界的な意識の変化の中で、なぜか、牛をはじめとする革に対して風当たりが強くなったな〜と感じ始めたのが数年前のこと。
世界の名だたる大メーカーがこぞって“脱レザー(動物性)”を謳い、リンゴやサボテンのカスから作るエコなレザーへシフトし始めたのです。
自分も最初聞いた時は『リンゴ!?リンゴの革って何よ!?』と困惑しました。
しかしよくよく調べてみると、そのリンゴでできた革と呼ばれる素材に、リンゴは10〜30%しか含まれておらず、残りは石油由来の化学物質。
これは革なんてものではなく、ただの“合皮”やん。と。
そして同じタイミングで出てきた、もう一つのエコレザー。
それは余った革のハギレ等を細かく粉砕し、シート状に加工した素材。
もちろんその革を繋ぎ合わせるために化学薬品が使われてるはずだし、これも革とは違うんじゃない?と感じていました。
そんなモヤモヤも、大手メーカーがこの素材を使って『ウチはエコしてまっせー!』なんて言い出したら、我々小規模事業者としては『違うと思うんやけどなぁ…』と飲み込むしかありませんでした。
その数年間のモヤモヤがパァーっと晴れた瞬間が、まさにこのパンフレットを手に取った時だったのです。
この件に関しては、細かいことを書き出したらキリがないので(笑)
ご興味がある方はぜひ調べてみてください!
ただ!これに関してあと一つだけモヤモヤが残っていて…それは“スプリットレザー”という素材。
この素材、実は素材としても製品としても結構出回っていて、製品の表示上も“牛革”と表記されています。
実際にウチの教室でも生徒さんが『先生!安い革見つけたんですよ〜』と買ってきたことが何度かあります。
自分は革の切り口を見ればわかりますが、それぐらい見た目で判断するのは難しいです。
でもこれを“牛革”って謳っていいのか…。甚だ疑問です。
気になる方は“スプリットレザー”で検索してみてください!
【今週の看板娘】
天気も良かったので、牧場に遊びに行きました。
テレビに4本足の動物が出てくると『ヴ〜〜〜〜』と一丁前に唸るのに、本物を目の前にしても見ようともしないのが不思議です(笑)
【今週の教室風景】
漉き機の調子をミシン屋さんにもてもらいました。
その職人技を見せてもらえる、そして教えてもらえる喜びは、何事にも変えがたい貴重な体験です。
いつもありがとうございます!