やってみるか。

あれほど浮かれモードだったGWも、あっという間に過ぎ去りました。
みなさんはいかがお過ごしだったでしょうか?


GW後の教室は、何をやって過ごしていたか話でスタートします。
いろいろと聞いていると、お出かけした人と家で過ごした人、だいたい半々ぐらいの印象ですね。

雷門近くの甘味屋さんで働いているヨメさんによると、GW中は意外とヒマだったと意外な答え。
まぁでも考えてみれば日本が大型連休中のタイミングで旅行にくる外国人は少ないかー。
旧正月中の中国なんかに行くわけないしね(笑)
とはいえ、GWより普段の方が人が多いなんて、浅草はなんとも不思議な街です。





さて




ワタクシはGWなんぞてんでカンケーなかったですが、この期間中にやっておきたいことがいくつかありました。その一つが“補助台作り”。
どこの補助台かというと、生徒さんの作業テーブルの横につける台です。
というのも、ちょこちょこやっているSL-700EXを使ったワークショップ、おかげさまで毎回たくさんのお申し込みをいただくんですが、抽選で漏れてしまった方々が本当に申し訳なくて、どうにかできないかとずっと考えていました。
そこでちょっと作業台を工夫して、定員3名だったところを5名に増やせないかと考えました。
でもそうすると作業台の上がキチキチすぎて、物がまったく置けなくなってしまう….
そこで補助台が作れないかと考えた次第です。

生徒さんの使っている作業台は、ちゃんと職人さんに作ってもらった金属フレームの頑丈な台です。補助台が必要だなと思った当初は、その鉄フレームをどうにかする自信がなかったので、別置きで折りたたみ式のベンチのようなものを考えたのですが…畳めるとはいえ置き場所がない。
そこで何かいいアイデア、いいアイテムはないかと探しまくってたら、もうまさに欲しかったのはコレ!!というアイテムを見つけたので、自分でやってみることにしました。




天板はパイン合板でドンピシャサイズが売ってたので即購入。
ってか噂には聞いてたけど、木材高くなったなぁ〜。。。
値段見て若干引くほどでしたが、まぁしょうがない。設備投資ということで。
元ある作業台と一緒の色で塗っていきます。



そしてこれが最大の問題!このガッチガチの金属フレームを手持ちのドリル、そして600円で買ってきたドリルビットで真っ直ぐ穴を開けられるかどうか。レッツトライ!




と思ってたら、ことのほか簡単に穴は空きまして(笑)
見つけたお宝アイテムを作業台の脚にボルトで固定していきます。




ボルトが少し長くてナットを飛び出したので、生徒さんが足をケガしないようにサンダーでカット。



ゴムキャップも被せて万全です!




あと天板の角も立ってて危なかったので、ヤスリで削って丸めて、ついでに色をちょっと入れてアンティーク風に仕上げてみました。




かなりいい感じにできたんじゃないでしょうか!?
やってみるもんやなー



そしてコレ!
使わない時はレバーを引くだけでパタンと折りたためるんです!
いやーこれは作ってよかった。
普段はあんまり出番はないけど、ワークショップの時は大活躍してくれそうです♪


ということで早速


6月9日(日)にワークショップ開催します!
詳細はインスタグラムの方に載せてますので、ご興味がある方はご覧ください。





【今週の看板娘】

現在ジーナ史上一番のモフモフとなっております!
本人はどう思ってるのか聞きたいわぁ〜




【今週の教室風景】

生徒さんが喉をつらそうにしていたので、『いいアメちゃんあるで〜』とこれみよがしに渡したら丸かぶりしてハズカシーッ(笑)
でもこれオススメです!



記憶を頼りに。

『ねぇ〜、お腹すいたぁ。』
か弱い猫撫で声でつぶやきながら、彼に抱きつく女性。

『きっと美味しいからさ。もぅちょっとの辛抱だよ。』
そう言って、彼は彼女の方をそっと抱き寄せたのでした…。




ラーメン。
普段からラーメンなんてひと月に一回食べるか食べないかの自分に、“ラーメン食べたい波”がザパ〜ンとやってきたのはGW初日。
人気店はどこもいっぱいだと分かりつつ、自分のSNSの中にある“いつか行ってみたいグルメ”フォルダを開くと、目に飛び込んできたのはまぁ〜美味しそうなラーメンの写真。しかも比較的近場の上野。
仕事から帰ってきたヨメさんに話すと『行ってみたい』という。
こうなったら迷わず進め。自転車2台連なって、えっちらおっちら走ること10分ちょい。目的地に着くとやっぱり10人ほどの行列が。
『ま、これぐらい並んでみるか』と自転車を停めて並ぼうとすると、店員さんが『あちらにドーゾー。約1時間ぐらいでーす。』『ハァ?』と思いながら指さす先を見ると…なんと向かい側の道に20人超えの行列!
なんで滅多に食べないラーメンのために1時間も…と正直思いましたが、せっかく来たし、写真ではめっちゃ美味しそうやったし、話のネタにもなるかもなと、ヨメさんとその行列の最後尾に並ぶことにしました。


滅多に食べないラーメンですが、それより滅多に来ることはない上野。
その独特の雰囲気は決して嫌いではないのだけれど、GWというのも手伝って、ものすごい人の量にだんだん疲れを感じ始めたころ、ふと聞こえてきたのが、冒頭部分の僕らの前に並んでいたイチャイチャカップルのやり取りでした(笑)


『若いって、ええのぉ〜』とヨメさんと微笑ましくそのやり取りを聞きながら、何気なく彼に目をやると、彼の肩にかかっていた、多分彼女のものであろうと思われるバッグがなんとも可愛くて…

数日後、その記憶を頼りに作ってみることにしました。




型紙はそんなに難しいものではないので、教室の合間にその時のみやげ話を生徒さんにしながらちょちょいっと制作。
そのバッグは大きなフリンジがチャームポイントだったので、一本ずつカットしていきます。



たぶん見たバッグはブランドものって感じはしなかったので、きっと内装はついてない。
でもウチが作るからにはちゃんと内装をつけるし、補強もしっかり。




外装にフリンジのパンツをちゃんと履かせて(笑)




底はまん丸にしたので、生徒さんの自由課題にもちょうど良さそう。




キンチャクタイプなのでハトメを装着。
安物だとこのハトメすら入ってないものもあるけど、それは考えられねぇっす。




革ひもをひと続きの輪っかにしたいので、どうやって作るか考えました。
結局手で握る部分にカバーをつけて繋ぐことにしましたが…このカバーはギリギリすぎてちょっと生徒さんには難しいかな〜。あとで型紙修正しましょ。



ってことで



とりあえず完成〜

こんな感じ!こんな感じ!
なかなかカワイイじゃあーりませんか。
ヒモは片方に寄せれば肩がけにもなります。



内装には以前作った教室のタグをつけてみました。
やっぱりバッグ作り楽しいし、また販売もしたいなぁ〜。



ちなみに…



1時間並んで食べたラーメンがコチラ。
大好きな鴨肉ラーメンだったけど、カワイイバッグを記憶に焼き付けるのに必死であんまり覚えてなーい(笑)


生徒さん作りたーいって言ってくれるかな??





【今週の看板娘】

朝からブラッシング頑張って、元気玉ならぬジーナ玉ができました(笑)



【今週の教室風景】

去年から育てたアジサイに小さな蕾が!どんな花を見せてくれるのかめっちゃ楽しみです。




1年越しの。

世の中は今日からGWのようです。
そんなこと自分にはカンケーねぇ!とばかりに作業をしようと思ったんですが…アトリエの扉を開けたら、なんとまぁお天気の良いこと。
その爽やかな風に吹かれたら、仕事のやる気も一瞬で吹き飛んでしまいました(笑)


ふとその開けた扉に目をやると



だいぶお疲れの様子。
それもそのはず、この扉をここに取り付けてから多分一度もメンテナンスしていない…。

変わった持ち手がついたこの不思議な扉。
買ったときの説明によると、使われていたのは大正時代の小児科病院で、その待合室と診察室の間に設置されていた扉だそうな。なので両開きで、鍵も付いていません。

そんな扉がウチのアトリエの入り口にまさかのシンデレラフィット!
いまだに大好きな一品です。


実は一年前にメンテナンスする気マンマンで材料を一式揃えてあったので、この気持ちいいお天気の中、いよいよ重い腰を上げました。




まずは各パーツの取り外しから。
なんせネジもサビサビなので、慎重に作業していきます。
そしたら外した下から元の地肌が出てきて、そのステキな色にビックリ!
自分が買ったお店によって今のダークブラウンに塗り替えられていたようです。
当時はとっても立派な扉だったんではないかとその歴史をイメージしたら、とってもファンタジックでステキなことやな〜としみじみ。



付いている真鍮製のパーツの造形美にも惚れ惚れします。




扉を拭いて掃除したら、ガラスをマスキングして塗装へ。
本当はちょっとアンティークな雰囲気の赤にしようかな〜と思ってたんですが、ヨメさんにやんわり反対されて断念(笑)まぁ自宅兼ですしね。



ネジはあんまり錆びるとよろしくないので、ブロンズカラーのステンレス製のものに交換。なるべく雰囲気を損ねないようにしました。




マスキングテープを慎重に剥がして…




完成〜!

油性塗料なのでちょっと乾くのに時間がかかりますが、明日も天気良さそうなのでとりあえずこのままで。



これからもたくさんの人にこの扉を開けてもらえますように。





【今週の看板娘】

今週行ったキャンプで汚れないようにと着せた服がおかしくておかしくて(笑)
ごめんねごめんね〜



【今週の教室風景】


生徒さんのオリジナルレザータグ。
めちゃくちゃ気に入ってたのに作業台の下に落ちてました(笑)






夢、またひとつ叶う。(までの道)

『一点モノのバッグを作っていただきたいのですが。』



そんなメッセージが届いたのが、連日茹だるような暑さが続いていた去年の8月でした。
今はおかげさまで教室業の方が忙しくさせてもらっていて、なかなか自分の作品の制作時間が取れない状態。
やたらお待たせしても申し訳ないと思いつつ、『どんなバッグでしょうか?』と尋ねると、送られてきたのは一通のメールでした。


添付されたフォルダを開いた瞬間、震え始めた自分の手。


目に飛び込んできたのはなんと、誰もが一度は目にしたことがあるであろう“スタジオジブリ”のロゴ。
そして事細かに指定が入っているバッグのデザイン画は、まさにジブリタッチのそれだったのです。


きた…いよいよきた。このチャンスを逃す手はない。


自分の中で、まるで着火剤に火をつけた時のように、“ボンッ”と音を立てて何かが弾けたような感覚になったのを今でも鮮明に覚えています。



ウチの教室の生徒さんは知らない人はいないと思うほど、ボクはジブリの作品が大好きです。
ただちょっと偏りがあって…一番好きな“紅の豚”は軽く100回は観てると思う。
新しいのは正直あんまり分かりません。

依頼されたのは宮崎監督の息子さんの宮崎吾朗監督の作品のものでした。
でもそんなの関係ない。ジブリのお仕事ができるなんて誰でもできることじゃない。
メールを見てすぐに『やらせていただきます』と返信したのです。





これがスタジオジブリと鬼のようなやり取りの始まりだとは、この時はまだ知る由もないのです。。。





初めてメッセージが来たのが8月上旬、仕事を受けると返事をしたのがお盆明け、その後のメールで衝撃の事実が発覚します。


納期、8月中。


しょっぱなからボディブロー食らいまして(笑)
でも一度受けると言ったのだからやるしかない!ってことで、教室終わりに作業を進めて、まずはサンプルを完成させました。



今となっては懐かしいぃぃぃ(笑)

自分が持ってるなるべく近い素材で作ってみました。
あの正確に描かれたデザイン画を原寸大に拡大して、それをチケン紙(型紙用の厚紙)に貼り付け、そこから完璧に型紙を取ったので間違いない!と自信マンマンでスタジオジブリに送りました。

ホンマは直接持っていきたかったけど(笑)


スタッフさんの反応はバッチリ!だったんですが…


監督:『フォルムをちょっと変えてほしい』


『じゃああのデザイン画はなんなんじゃーーー!!』ってブチギレそうな気持ちをグッと抑えるも、このまま『はいわかりました』ではいくら相手がジブリだろうと職人としての気がすまねぇ。


『では作り直しますが、型紙制作代は倍いただきますネ♪』と交渉。


でも内心は『あ、じゃあ他の職人当たりますんで。』とか言われたら死ぬまでトラウマ確定やーん!なんてドッキドキしながら待つこと数分。
『大丈夫です!』ってあっさり一発返事。ウン、信じてましたぜ!(笑)

さすが世界のジブリは懐が深いでやんす。


型紙の修正はした。あとは向こうから指定された素材が送られてくるのを待つのみ。

待つのみ….

待つのみ…..

届かねぇ。待てど暮らせど届かねぇ。


連絡しても、『プリントにトラブルが…』『ファスナーは今作ってて…』『合皮はもう送れるはず…』リアルそば屋の出前状態。
そして材料が揃ったのがなんと10月初め!そして10月中に絶対完成で!とかなんやねん!!めちゃくちゃやんけー〜〜ー!!って気持ちをグッと堪えて♪(笑)
時間を作ってひたすら制作し、なんとか完成!“これでどうじゃー!”とばかりにジブリへ発送。


監督:『ここがちょっと….』


この時点で10月26日(チーン)。
もう一回作る!作るけど材料ねーよ!今日送れーーーっ!!



…バッグ、10月31日スタジオジブリ着。


監督:『うん!いいね!』


燃え尽きたわ(笑)










ってことで、無事に納品されまして。



いよいよ今月オープンとなりましたジブリパークの新しいエリアに、ワタクシの作ったバッグが展示されております。お出かけの際は見てやってくださいまし。



自分の仕事の夢。

・お店を持つ →  ⭕️叶った

・NIKEの仕事したい → ⭕️叶った

・L’Arc〜en〜Cielの仕事したい → ⭕️叶った

・JUKIの仕事したい → ⭕️叶った

・ジブリの仕事したい → ⭕️叶った

そして今年の秋に…もう一つ。
やったるでー!





【イベントのお知らせ】

【革フェス in BANDY’Sレザークラフト教室 2024】

開催日時:3月30日(土)31日(日)10:00〜17:00
場所:BANDY’Sレザークラフト教室 台東区浅草6−26-8
入場無料




【今週の看板娘】

やっとトリミングに行けてサッパリんこ。
でも久しぶりに顔のツルツルやめました!
こっちの方が女の子っぽいネ♪


【今週の教室風景】

これは大作の予感…!




作業しとるがな。

エアコンを止め、開けていた窓を閉め、いよいよ薄めの羽毛布団を出した今週。この1ヶ月間ぐらいで寝る場の状況もコロコロと変わりました。

そして秋の便りもちょこちょこと。


千葉で蕎麦屋をやっている友人から、『いい鴨が入ったよー』とお知らせが。
この友人は鴨にとてもこだわっていて、いろいろと産地を変えつつ、ほぼ年中鴨せいろを提供していたんですが、今年はメニューに全然ないことにある日気づいて聞いてみると、“鳥インフルエンザ”の世界的流行で全然手に入らないとのこと。
鳥インフルエンザという言葉はニュースで流れてきた時に聞くぐらい、さらには関係あるのはニワトリだけかと思っていました。
無知だった自分はそれを聞いてちょっとびっくり。

友人がそんな連絡をくれるぐらいですから、自分は鴨せいろが大好き!
早速行ってきました。



そりゃもうほっぺたが落ちるほどの美味しさとはこのこと!
鴨マニアの友人の目利きですから、美味しくないわけがない。
蕎麦はもちろん、ツユも蕎麦湯を入れて秋の味覚をぜ〜んぶ平らげてきました。
ゴチゴチ♪



そしてもう一つ秋の風物詩が。



いつもの散歩コースにプ〜ンと漂う秋のかほり金木犀。あ〜いい匂い。
しかしなんだかいつもよりちょっと遅かった気がします。やはり今年の夏は異常だったことを、植物たちから改めて知らされた気がします。


皆さんもそれぞれの秋を楽しんでください♪






さて






8・9・10月と仕事の方は忙しくさせてもらいましたので、11・12月は2023年終盤に向けてボチボチやっていきたいなーと思っております。
そのためのツメの作業を今進めているんですが、いまだに教室以外は休んでると思われているのが心外だわー(笑)

ここ最近はずっと型紙と格闘中。。。




JUKIさんのコラム用に作っているアイテム。
シンプルなものほど難しいですね〜。しかもそれを誰でも・簡単に・ちゃんと完成する用に作るとなると、また考え方のベクトルが違ってきます。
とりあえず4つ目で納得いく形になったので、この3つの試作は捨てた(とっておいたらキリがない)んですが、ゴミ箱に入っているのをみつけた生徒さんが『もったいない!』って全部持ってっちゃって…恥ずかしいやら申し訳ないやら、なんとも言えない複雑な心境になりました(笑)



もう一つは来年春のプロジェクトのやつ。締切が今月いっぱい。
一つ目のサンプルで致命的な箇所に変更が出され、ほぼ1から作り直しの最中。
これも4つ目でなんとかいいフォルムが出せそうな型紙になった…はず。

この仕事は自分の夢でもあったので受けましたが、一つ確信しました。
私は締切がある仕事がキライやー(笑)


とはいえなんとか早め早めに終わらせて、他にもあるできることやっていかないと…
実は来月からまた新しい仕事(?)をスタートさせるし!キャンプの予定もいっぱい入れちゃったし!こりゃ今年もあっという間に終わりそうだぁ〜(笑)






【今週の看板娘】

すっかり元気になって、ボール追っかけまくり〜



【今週の教室風景】

作業場で寝まくり〜(笑)




【BANDY’Sレザークラフト 教室のご案内】

現在教室の方は、新規のご入会受付並びに体験教室のお申し込みを一時中止しております。
再開しましたら改めてお知らせいたします。


教室の内容や、生徒さんの作品など詳しくは教室のホームページをご覧ください!
BANDY’S Leather craft school

これがバッグ屋の弟が持つバッグかよ。

『見てコレ。年季入ったやろ〜』



そう言いながら、弟が懐かしいトートバッグを見せてきました。
そのバッグは自分が独立する前、イタリアのバッグを輸入する会社に勤めていた時に出会ったものでした。
いい革を使ってシンプルに仕立てた大きいトートバッグって意外になくて、見つけた時は一目惚れ。シンプルなだけでなく、本体の切り返しがまるでガチャピンのお腹みたいでかわいい!しかも会社がサンプルとして1点だけ仕入れたというレア感も手伝って、社員販売とはいえなかなかのお値段でしたが、意を決して買ったバッグでした。


多分、自分が買った最後で最高額のバッグだと思います。


程なくして独立し、自分が作ったのではないバッグを持てなくなったころ、弟から『何かおっきなトートバッグ貸して(っていうかちょうだい)』と言われ、このバッグが行くことになったのです。


それから約10年の歳月が過ぎ、目の前に現れたバッグの燦々たる有様よ….


カッサカサの




ボッロボロですやん

仕事でも使ってるそうなので、まぁこのバッグのヤレ具合が弟の頑張りと比例してると思えばお疲れさん!とも言いたくなりますが、こんな状態で使ってるなんて、それでもバッグ屋の弟が持つバッグかよ!ってことで、できる限り修理することにしました。



革製品の修理の鉄則、“分解は最小限”。



なんせ持ち手は丸々作り直しですから、持ち手が縫い付けられる分だけ糸をほどきます。



自分も作り手の端くれなので、こういう時に裏側の始末がどうなっているのかを見るのがちょっとした楽しみ。
このバッグは補強と糸どめがちゃんとやってありました。糸を裏側に出して、シール的なもので留めるのはイタリアのバッグでよく見る留め方です。



本体を傷つけないように持ち手を外します。
見てくださいこのカッサカサになった革を!まったくメンテナンスしてなかったようです。



持ち手を少し分解して、使われている芯材を確認します。こちらもシンプルだけど意外にちゃんと仕立ててありました。



先の部分だけ型紙をとります。



たまたま手持ちでよく似た感じの革があったので、これで持ち手を作っていきます。



伸びないようにしっかり補強して、新しい芯材を入れます。



持ち手を仕立てていきます。



出来上がった持ち手を本体に縫い付けるのですが、まず前の針穴と同じ場所に針穴を開けて、その針穴を一つずつ拾いながら本体に縫い付けていきます。



持ち手が付いたら最初に開けた口元を閉じます。これも先に開いている針穴を一つ一つ拾いながら縫っていきます。



最後にカッサカサになった革の表面をしっかりとお手入れして…



出来上がり〜!




あのカッサカサはどこへやら!?ってなぐらいにキレイになりました。



少しでも長持ちするようにステッチとステッチを繋ぐ部分は二重にして、少しVの字に。
直線に縫うより破れにくくなります。
まぁ多分弟はまったく気づいてないでしょうが(笑)

これでまたしばらく使えるでしょう!




バッグを直しながら、とても感慨深い気持ちになりました。

勤めていた会社は今でいう“ブラック企業”で、今まで生きてきた中で一番精神的に追い詰められていました。
逃げ出したくなるような毎日でしたが、頑張って働くうちに見えた未来が“バッグ職人”としての道。
そして10数年たった今、その時買ったバッグを直す技術も身につき、仕事もボチボチやらせてもらっている…
タイムマシンがあったら今すぐ当時の自分に『ゴハン食えるようになるからな!頑張れ!!』って伝えてやりたいです。


まぁ弟はこのバッグにこんな思いがあるなんて知らずにいるだろうけど、もうちょっと大切に使って欲しいな〜ってアニキは思うのでした(笑)





【今週の看板娘】

クルマのリアシートはジーナの指定席。
『遊びにいこか!』っていうと、駐車場へ真っ先に走っていきます。
かわいいヤツめ。



【今週の教室風景】




ご自分が欲しかった理想のバッグをヌメ革で作りました!
ヌメ革ってよく聞きますが、無色のヌメ革で仕立てたバッグは意外と売ってないもの。(革がデリケートすぎるので)
使っていくうちにどう変化していくのか、エイジングがとっても楽しみですね!
お疲れ様でした。




【BANDY’Sレザークラフト 教室のご案内】

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再開しましたら改めてお知らせいたします。


教室の内容や、生徒さんの作品など詳しくは教室のホームページをご覧ください!
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HP、残りわずか。

お盆休みも終わり、問屋が多い我が街にも人が戻ってきました。
とはいえ、近頃の革業界の不振で近所の革靴問屋さんがバッタバッタとなくなってしまい、その跡地は春先のつくしのごとくマンションがニョキニョキと生えた我が街。仕事でこの場にいる人たちも、自分が引っ越してきた10年前と比べたら激減しているように感じます。


今年のお盆は久しぶりに東京で過ごしました。
理由は単純で、教室が休みになる第5週が今月はあったので、わざわざ人が多いタイミングで帰らなくてもいいかな〜と思ったから。そしたら自分たちが帰る場所、日時に見事に台風が直撃…帰らなくてよかったねと胸を撫で下ろした次第です。




しかし月末の休みも危うくなりました。


先月末に突然いただいたお仕事が、手を羽ばたけばもしかしたら身体がちょっと浮くんじゃないかと思うほど嬉しいお仕事。ただ、納期がカツカツ中のカツカツ。8月中だという。
でもこの仕事を諦めたくない。と思った自分は、今月すべての休みを返上して、できるところから作業を開始しました。もちろん両方の両親にも帰れなくなったことを伝えて、8月は24時間営業の覚悟を決めたのです。


すると今週、先方から『材料が揃わないので9月中で』とあっさり自分の心意気はへし折られることに….。ま、でもその仕事に関わる気持ちは変わらないので大丈夫なんですが。


このお仕事はまたお知らせできるようになったら聞いてやってください。夢のようなお話です。





もちろん教室をやりつつ、そのカツカツ仕事の合間にも



今週末のワークショップの準備をしたり


ノベルティ作ったり




バッグを作ったり。

うーん…さすがに疲れた。
決して忙しい自慢じゃなくて、自分のブログだし、ただただグチりたくなっただけ(笑)
一人でやってたらこんなもんです。

このアトリエを開いて丸10年。なんかしょっちゅう休んで遊びに行ってるように思われがちですが、基本は週1休み。

いいよねぇ、もうちょっと休んでも。って思ってきました。




だんだん日が暮れるのも早くなってきたなぁ。
お盆の次はクリスマスかー(笑)








ワークショップまだまだ募集中です!
↓ ↓ ↓

YKK・JUKI・バンディコラボ企画 男性限定ワークショップ
ミシンで作る帆布と革のスマートボディバッグ

日時 9月9日(土)午前の部10時〜13時・午後の部14時〜17時
場所 ものづくり館 by YKK(秋葉原)
定員 各回10名
参加費 13,000円(税・キット代込)
申し込み方法 Qrinafまでメール(qrinaf@gmail.com)にて。メール本文に
・お名前
・電話番号
・希望の回(午前or午後)
・希望のカラー(ブラウンorブラック)※各色とも数に限りあり
をご記入ください。
締切 8月31日

お申し込みお待ちしています!




【今週の看板娘】

ちょっとは涼しい朝の5時。
さすがの浅草寺もまだガラガラです。



【今週の教室風景】

大好きな道具、ベッセルのプラスチックハンマー。
普通に買うと高いんですが、時々フリマアプリで投げ売りされてるのをちょこちょこ買ってたらこんな量に。もうええか(笑)



【BANDY’Sレザークラフト 教室のご案内】

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消化不良にご注意。

今日のお昼頃の出来事。

アトリエで作業をしていると、母親と娘とおぼしき二人が訪ねてきました。
声をかけると返ってきたのは英語。
見た目ではちょっと個性的な日本人やな〜と思っていたのでビックリ。


あちらは日本語がぜんぜん喋れない。
こっちは英語がぜんぜん喋れない。
ということで、スマホの翻訳アプリを介してのやりとりとなりました。


要件を聞いてまたビックリ。



『あなたにバッグ作りを教えて欲しくて、カナダから来ました』



思わず『マジで!?』って大声で言っちゃって。
きっと通じてないけど向こうも笑ってた(笑)




その後、30分ほどいろんなやりとりの末…お断りしました。
とても残念でしたが。
お二人が帰られた後、ヨメさんに今あったことを話しました。


『せっかく来てくれたのにね。なにかしてあげられることはなかったんかな…』


アトリエに戻った自分はなんだかいてもたってもいられず、気がついたら自転車にまたがってました。
お二人が帰られてから、もう10分以上はたっている。
でも“ご縁”があれば見つかるはず…という思いを胸に、直感の信じて自転車を走らせたのでした。




どうなったのかはまたいつか(笑)






さて






今週は久しぶりに自分のお仕事でバッグを作りました。



今は教室業の方がメインになっているので、作家としての活動はほとんど止まってしまっていますが、過去に買ってくださったお客さんからのオーダーは受けさせてもらっています。


そして今回の作業、実は特殊な事情がありまして…
というのも、初めてズーーーッと人に見られながらの作業だったのです。
それはもう最初から最後まで。


いつもより3倍疲れました(笑)
自分のペースじゃないしね。




っていうか、これは作業している自分を撮ってもらうチャンス!
って気づいた時にはもう終盤で(笑)


っとここまで。


なんで見られてたか、バッグの出来上がりはどんな感じか…
お伝えできず消化不良ですんませーん(笑)




最近、変身願望がハンパないバンディでしたっ。






【今週の看板娘】

床屋さんにいってサッパリんこ。
だいぶ白くなったなー
でもまだまだ元気印でっす♪


【今週の教室風景】

『知り合いに頼まれちゃったんですけど、作り方教えてくれますか!?』

と差し出されたのは時計のベルト!
意外と奥深いアイテムですが、なんとか3時間で完成しました。
いい感じにできたし、喜んでもらえたはず!




【BANDY’Sレザークラフト 教室のご案内】

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教室の内容や、生徒さんの作品など詳しくは教室のホームページをご覧ください!
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やっぱりないと不便なので。

去年せっかく作ったのに、ものの1週間ほどで手元からなくなってしまった







自転車のサイドバッグ。



なんかまた新しいの作る気力がなくなっちゃって、ないまま過ごしてたんですが…
そもそもこの自転車、メインの使い道は“仕入れ”。
簡単には買い物袋ももらえなくなった昨今、入れるものがないとまぁ〜不便。


ということで、やっと重い腰をあげまして、新しいサイドバッグを作ってみました!






前回みたいな、そんなに大きなバッグはいらないな…ということで、第二号は小さめで。





とはいえ、最高の材料を惜しげもなく使えるのは作り手の特権ですよねー(笑)
前回と同じくイタリアンレザーのリスシオで。





細かいパーツ類も順番に作って






縫い付けていきます。






今回は細かいものが分けられるように、前ポケットをつけてみました。







ひっくり返せば…






サイズとフォルムは狙い通り!





自転車につけるベルトにホックをつけて






自転車の荷台に取り付ければ





完成〜!




とりあえずこれで細かい荷物入れに困ることはなかろうかと。
とはいえ、いい防犯対策が浮かばず、またすぐに取れちゃうんですけどー(笑)



ってか、先日自転車乗っててすっ転びまして。
頭ゴッチーンって地面にぶつけて、しばらく起き上がれなかった…
幸いにも大きなタンコブだけで大したケガはなかったんですが、気をつけなあきませんね。
しかしオトナになってからのケガは地味にイタイ(笑)






【今週の看板娘】

冬の風物詩となりました。
ストーブに当たって、さらにチリチリ現象。
こっちがちゃんと見てあげないとね!
ゴメンゴメン。



【今週の教室風景】




とっても素敵な配色のツインズショルダーバッグができました!
ちょっと濃いめのグリーンに、熟成したウィスキーのような深い色味のイタリアンレザーを合わせて、とっても上品な仕上がりです。
まさにどこにも売ってない、自分だけのバッグですね!
お疲れ様でした。




【BANDY’Sレザークラフト 教室のご案内】

現在教室の方は、空きが出次第お申し込み順にご案内させていただいております。
また教室へ入会希望の全ての方に体験教室の受講をお願いしております。
以下のリンクよりお申し込みください。


《体験教室お申し込みフォーム》


『ぜんぜんミシン初心者なんですけど大丈夫なんですか?』
とおっしゃられる方が多いですが、ほとんどが初心者の方です。
ぜひ一度体験教室にいらしてください!

体験教室では実際に工業用ミシンを使って、レザーキンチャクを作っていただけます。
小さなキンチャクですが革を切る・縫う・漉く・ヘリ返す・タグを作るなど、ミシン仕立てならではの技術を一通り体験してもらえます。
詳細・お申し込みは下記のリンクからどうぞ。

教室の内容や、生徒さんの作品など詳しくは教室のホームページをご覧ください!
BANDY’S Leather craft school

秋、感じてますか。

秋になって、ワクワクが止まらないバンディです。
美味しいものややりたいことがたくさんあります。


先日は実家から新米が送られてきまして(地元伊勢は日本一稲刈りが早い!)、早速定番のご飯のお供である辛子明太子・イカの塩辛・野沢菜漬けなどなどでいただきました♪
新米って、なんであんなに美味しいんでしょうね〜。
あーシアワセ。





そしてこれは…芸術の秋?

今年から40の手習で始めたウクレレ 。
教室にも通って、続いてますよー。



まだまだ年季なんてものは入ってないけど、すでに愛おしい(笑)
ポロリンポロリンと、い〜い音奏でてくれます。


教室がもう来月で基礎科が終わるとのこと。
11月からは本科という中級コースになります。
そこには名だたる先生が何人もいて、自分がどうやってウクレレを楽しみたいかによって選ぶことに。

自分は“キヨシ小林先生”に教えてもらうと決めています。
ソロ弾きという、メロディと伴奏を一緒に弾くスタイル。
さらに先生は自分も好きな“ジプシー系”を得意とするミュージシャンなので、そのアレンジも好きな感じなのです。


そんな話を教室後にしていたら、店員さんからこんな一言が。



『本科に上がられる生徒さんには10%割引券が出ますよ!』



マジか…




しっかり値段はボカす(笑)

今持ってるやつでしばらく〜とは思ってるんですが、ウクレレ ってやつはなんせ音の個性がバラバラ!
自分が好きな音色を探すのもまた楽しみの一つ。
いくつか弾かせてもらったけど、どうやらスプルースという白っぽい木で作られたウクレレの音色が好みみたい。


昔ギタリストの親父が見た目同じギターを何本も持ってて、『音が微妙に違うんや』なんて言ってるのを『ハイハイ。』と呆れて返事してましたが、まんざらヘンな話でもなかったと今気づきました(笑)


長く続けられそうな趣味に出会って嬉しいですね!








あと秋といえば…モノづくり。


10月に久しぶりにSL-700EXを使った新作ワークショップをしたいと思います!



自分が作るだけだったら簡単なのですが、誰もが楽しく、作り甲斐のある講習会となるとワケが違ってきます。
せっかく参加してもらったら、ちょっと簡単には家でできないようなモノを作ってもらって、SL-700EXのポテンシャルを実感してもらいたい。
そんな思いで試作に試作を重ねております!

ご興味ある方はインスタをチェックしてくださいネ♪






【今週の看板娘】

トリミングに行ってサッパリんこ。
店は同じでも、切る人によって微妙に違うのがおもしろい!




【今週の教室風景】

人生で初めて革からパーツを切り出す。
自分は切り出しなんて当たり前ですが、考えてみたらこんな経験なかなかないことですよね(笑)





【BANDY’Sレザークラフト 教室のご案内】

現在教室の方は、空きが出次第お申し込み順にご案内させていただいております。
また教室へ入会希望の全ての方に体験教室の受講をお願いしております。
悪しからずご了承ください。


『ぜんぜんミシン初心者なんですけど大丈夫なんですか?』
とおっしゃられる方が多いですが、ほとんどが初心者の方です。
ぜひ一度体験教室にいらしてください!

体験教室では実際に工業用ミシンを使って、レザーキンチャクを作っていただけます。
小さなキンチャクですが革を切る・縫う・漉く・ヘリ返す・タグを作るなど、ミシン仕立てならではの技術を一通り体験してもらえます。
詳細・お申し込みは下記のリンクからどうぞ。

教室の内容や、生徒さんの作品など詳しくは教室のホームページをご覧ください!
BANDY’S Leather craft school

下記材料屋さんにもパンフレットを置いていただいておりますので、ぜひお手に取ってご覧下さい。

レザーメイト さとう さん
三洋商会 さん
角田商店 さん
Kファスナー さん

ご検討のほどよろしくお願いいたします。